アデノイド顔貌の大人の治し方は?自力の限界と矯正・外科矯正・保険の条件【男性向け】

アデノイド顔貌の大人の治し方と、矯正・外科矯正・保険の条件を解説する記事のアイキャッチ 初心者ガイド
※本記事は一部プロモーションを含みます。

「アデノイド顔貌かもしれない」「大人になってからでも治し方はあるのか」と、横顔の写真を見て調べ始める男性は少なくありません。

先に結論を書くと、骨格の成長が終わった大人は、トレーニングやマッサージだけで顎の骨の形を変えるのは難しいと考えられています。

見た目を変えたいなら、矯正歯科で「歯の位置の問題か、骨の問題か」を診てもらうのが近道です。

この記事では、大人のアデノイド顔貌について、自力でできること・できないこと、歯列矯正・外科矯正・美容外科の違い、保険が使える条件、相談先の順番を初めての人向けに整理します。

この記事の結論

  • 大人の骨格が、ミューイングやマッサージで変わるという科学的な根拠はない
  • 口元の出っ張りが「歯の位置」によるものなら、歯列矯正で横顔が変わる可能性がある
  • 顎の骨そのものが後ろに下がっている場合は、手術を組み合わせた外科矯正が選択肢になる
  • 顎の手術が必要な「顎変形症」と診断され、届け出をした医療機関で受ける外科矯正は、健康保険の対象になる
  • 最初の相談先は矯正歯科。鼻づまりやいびきが強い人は耳鼻咽喉科も受診する
※この記事は、日本矯正歯科学会・日本臨床矯正歯科医会などの公開情報と、海外の研究論文をもとに整理したものです。運営者は医師・歯科医師ではなく、内容は診断や治療に代わるものではありません。治療の適否や費用は、矯正歯科などの医療機関で確認してください。
  1. アデノイド顔貌とは|大人の治し方を考える前に知りたい特徴と原因
    1. 「アデノイド」は鼻の奥にあるリンパの組織
    2. 口呼吸が続くと顔の成長に影響すると考えられている
    3. 原因は口呼吸だけとは言い切れない
  2. アデノイド顔貌のセルフチェック|相談時に伝えたい症状と似た悩みとの違い
    1. 口ゴボ・二重あごとの違い
  3. アデノイド顔貌のデメリット|口呼吸や噛み合わせに伴う困りごと
    1. 1. 口の乾燥で、口臭・むし歯・歯周病が気になることがある
    2. 2. いびき・睡眠時無呼吸につながることがある
    3. 3. 顎の大きなずれがある場合、前歯で噛み切りにくいことがある
    4. 4. 見た目について悩むこともある
  4. 大人のアデノイド顔貌は治る?自力でできること・できないこと
    1. ミューイングで顎のラインが変わるという根拠はない
    2. 口テープは鼻づまりがある人には向かない
    3. 自力でできるのは、呼吸や姿勢の悩みを骨格と分けて相談・見直すこと
  5. 大人の治療の選択肢|歯列矯正・外科矯正・美容外科の違い
    1. 歯列矯正|口元の出っ張りが「歯の位置」によるもの
    2. 外科矯正|顎の骨の位置から見直す方法
    3. 美容外科|顎先の形だけを整えたい場合の選択肢
  6. 外科矯正で保険が使える条件|顎変形症と指定医療機関
    1. 顎診の医療機関の探し方
  7. 相談先の順番|まず矯正歯科、鼻づまりがあれば耳鼻咽喉科
    1. 矯正歯科を選ぶときの確認ポイント
    2. 相談前に用意しておくとよいこと
  8. アデノイド顔貌の治療で失敗しやすいポイント
    1. 失敗1:自力の方法に何年もかけてしまう
    2. 失敗2:歯列矯正だけで顎が出てくると期待する
    3. 失敗3:噛み合わせを診ないまま美容外科だけで決める
    4. 失敗4:保険が使えるかを確認しないまま自費で始める
  9. 外科矯正・歯列矯正が向いている人・向いていない人
    1. 外科矯正
    2. 歯列矯正
  10. アデノイド顔貌に関するよくある質問

アデノイド顔貌とは|大人の治し方を考える前に知りたい特徴と原因

アデノイド顔貌は、子どもの頃に口呼吸が長く続いたことが関係すると考えられている顔つきのことです。

病名というより、横顔や顔の縦の長さに出る特徴をまとめた呼び方です。

「アデノイド」は鼻の奥にあるリンパの組織

アデノイドは、鼻の奥と喉の境目あたりにあるリンパの組織で、咽頭扁桃(いんとうへんとう)とも呼ばれます。

2022年の研究レビュー(Frontiers in Public Health)によると、2〜6歳ごろに大きくなり、10歳を過ぎると小さくなっていくのが一般的です。

子どもの頃にアデノイドが大きすぎると、鼻の通り道がふさがれます。

その結果、口で呼吸する状態が長く続きやすくなります。

口呼吸が続くと顔の成長に影響すると考えられている

口がいつも開いていると、舌の位置が下がり、唇や頬の筋肉のバランスも変わります。

成長期の子どもでは、この状態が顎の成長の向きに影響すると考えられています。

子ども・10代を対象にした研究をまとめた分析(2020年)では、口呼吸の子は鼻呼吸の子に比べて、次のような傾向があると報告されています。

  • 上顎・下顎ともに後ろ寄りになりやすい
  • 下顎が後ろ下方向に回転し、顔の下半分が縦に長くなりやすい

同じ論文では、上の歯列の幅が狭いことや、唇が自然に閉じにくいことも、口呼吸に関係する特徴として紹介されています。

原因は口呼吸だけとは言い切れない

一方で、口呼吸と顔の長さの関係は「弱い」とする研究者の批判的レビュー(2021年)もあります。

顔の縦の長さには遺伝の影響が大きく、研究の質にも課題があるという指摘です。

つまり、アデノイド顔貌っぽく見える理由は人によって違うということです。

「子どもの頃に口呼吸だったから」と決めつけず、今の顔の何が気になるのかを分けて考えるほうが、治療の方向性を決めやすくなります。

アデノイド顔貌のセルフチェック|相談時に伝えたい症状と似た悩みとの違い

次の項目は、診断のためのものではなく「相談するときに伝えたい症状」の整理に使ってください。

当てはまる数が多くても、それだけでアデノイド顔貌と判断することはできません。

  • 横顔で、口元が鼻先と顎先を結んだ線(Eライン)より前に出ている
  • 下顎が上顎より後ろに引っ込んで見える
  • 顎と首の境目がはっきりしない
  • 何もしていないとき、口が少し開いていることが多い
  • 唇を閉じると、顎の先にシワ(梅干しのような凸凹)が寄る
  • いびきをかく、朝起きると口や喉が乾いている
  • 鼻がつまりやすく、鼻だけで呼吸するのが苦しい

正確な判断には、矯正歯科で撮る「セファロ」と呼ばれる頭部のレントゲン写真が使われます。

骨の角度や位置を数値で測り、歯の問題か骨の問題かを見分けます。

口ゴボ・二重あごとの違い

アデノイド顔貌と似た悩みに、口元が前に出る「口ゴボ」や、脂肪やむくみによる二重あごがあります。

おおまかな違いを表にしましたが、口元が出て見える原因は歯の傾きや顎の位置など複数が重なることも多く、見た目やEラインだけでは区別できません。

悩み 主な原因 見分けのヒント 主な相談先
アデノイド顔貌 顎の骨が後ろ寄り・顔の下半分が縦に長い 横顔で顎先が引っ込み、口が閉じにくい 矯正歯科
口ゴボ 前歯が前に傾いている・歯が並ぶ場所が足りない 顎の骨はあるが、口元だけが前に出て見える 矯正歯科
脂肪・むくみの二重あご 体脂肪・塩分や睡眠不足によるむくみ 体重や朝晩で見え方が変わる 生活習慣の見直し

朝だけ顔が膨らんで見えるなら、骨格ではなくむくみが原因のこともあります。

日によって見え方が変わるかどうかも、見分けるときの手がかりになります。

アデノイド顔貌のデメリット|口呼吸や噛み合わせに伴う困りごと

アデノイド顔貌が気になる人の中には、見た目だけでなく、口呼吸や噛み合わせに関わる困りごとを抱えている人もいます。

ここで紹介するのは、口呼吸や口の乾燥、顎のずれについての一般的な説明です。

顔つきだけで、これらの問題があるかどうかは判断できません。

思い当たるものがあれば、それぞれの相談先で確かめてください。

困りごと 関係すること 主な相談先
口の乾燥・口臭・むし歯 口呼吸や唾液の減少など 歯科
いびき・睡眠時無呼吸 顎が小さい・後ろに下がっていることも原因の一つ 睡眠時無呼吸を診る専門の医療機関
前歯で噛み切りにくい 顎変形症など、顎の大きなずれを伴う噛み合わせ 矯正歯科
見た目の悩み 感じ方や程度には個人差がある 歯並びや噛み合わせも気になるなら矯正歯科

1. 口の乾燥で、口臭・むし歯・歯周病が気になることがある

口呼吸は、歯ぐきの乾燥や炎症に関係します。

福岡県歯科医師会の資料では、口呼吸があると歯ぐきが乾燥して炎症が強くなるとして、歯周病になりやすくなる要因の一つに挙げられています。

また、唾液が減って口が乾いた状態になると、日本歯科医師会はむし歯や歯周病のリスクが増え、乾きが進むと強い口臭が出ることもあると説明しています。

朝の口の乾燥が続く場合は、歯科で相談してください。

2. いびき・睡眠時無呼吸につながることがある

日本呼吸器学会によると、顎が後ろに下がっていたり小さかったりすることも、睡眠時無呼吸症候群の原因になり、太っていなくても起こることがあります。

睡眠時無呼吸症候群全体では、成人男性の約3〜7%にみられる病気です。

睡眠中に無呼吸を繰り返すと、睡眠が妨げられ、日中に強い眠気が出ることがあります。

厚生労働省のe-ヘルスネットは、高血圧や眠気による事故につながることもあるとしています。

家族からいびきや呼吸の止まりを指摘されたら、専門の医療機関で検査を受けてください。

3. 顎の大きなずれがある場合、前歯で噛み切りにくいことがある

日本臨床矯正歯科医会は、顎が上下・左右・前後に大きくずれた「顎変形症」では、前歯でものを噛み切る機能が損なわれていることが多いと説明しています。

ただし、アデノイド顔貌と呼ばれる顔つきだけで、この状態があるとは判断できません。

食事のしづらさは毎日のことなので、思い当たる場合は矯正歯科で相談するときに伝えておくと、治療方針を決める材料になります。

4. 見た目について悩むこともある

見た目への感じ方や悩みの程度には、個人差があります。

2022年の研究のまとめ(顎変形症の人を対象としたもの)では、顎の骨の大きなずれが、人間関係や自己評価、口に関わる生活の質に影響しうると紹介されています。

同じ研究では、外科矯正を受けた顎変形症の人で、術後に口に関わる生活の質が改善したと報告されています。

アデノイド顔貌と呼ばれる人全般への効果を示した研究ではありませんが、見た目の悩みが毎日の行動を左右しているなら、「気にしすぎ」で片づけず相談してよい悩みです。

大人のアデノイド顔貌は治る?自力でできること・できないこと

大人になると顎の骨の成長はほぼ終わっています。

日本臨床矯正歯科医会も、骨の成長が止まった大人は矯正装置だけでは満足な結果が得られない場合があると説明しています。

自力の方法は、骨格を変えるものではありません。

そのうえで、できることとできないことを分けて見ていきます。

自力の方法 骨格が変わるか 期待できること
ミューイング(舌を上顎に押し当てる) 根拠なし 学会は「顔の形が変わる根拠はない」と注意している
表情筋トレーニング・マッサージ 根拠なし 大人の骨格を変えるという裏付けはない
寝るときの口テープ 研究で評価されていない 呼吸への効果の根拠は少なく、鼻づまりがある人は危険とする研究がある
鼻づまりの治療 変わらない 鼻づまりや呼吸のしにくさの原因と対応を耳鼻咽喉科で相談できる
姿勢・体脂肪の見直し 変わらない 骨格とは別の悩みとして整える

ミューイングで顎のラインが変わるという根拠はない

SNSで広まったミューイングは、舌を上顎に押し当て続けると顎のラインが整うという方法です。

しかし、イギリス矯正歯科学会(British Orthodontic Society)は2025年に「舌や歯の置き方、顔の動きで顔の形を変えられるという科学的根拠はない」との声明を改めて出しています。

アメリカ矯正歯科医会(AAO)も2024年に注意を呼びかけています。

強い力をかけ続けると、歯のぐらつきや噛み合わせのずれ、発音への影響が起きる恐れがあるという内容です。

口テープは鼻づまりがある人には向かない

寝ている間に口へテープを貼る方法も話題になりました。

2025年に発表された研究のまとめ(PLOS One)では、効果を示す根拠は少なく、鼻がつまっている場合などには窒息につながる危険性が指摘されています。

そもそも口呼吸になるのは、鼻で息がしにくいからというケースが多いです。

自己判断でテープを使う前に、鼻づまりの原因を耳鼻咽喉科で相談してください。

自力でできるのは、呼吸や姿勢の悩みを骨格と分けて相談・見直すこと

鼻づまりがある人は、骨格の悩みとは別に、鼻づまりや呼吸のしにくさの原因と対応を耳鼻咽喉科で相談する価値があります。

姿勢や体脂肪も、骨格の評価とは分けて考えたい部分です。

骨格の相談と、姿勢・体型の見直しは別々に進めると、何が原因で何が変わったのかを判断しやすくなります。

大人の治療の選択肢|歯列矯正・外科矯正・美容外科の違い

大人のアデノイド顔貌で検討される方法は、大きく3つです。

どれが合うかは「歯の位置の問題か、骨の問題か」で変わります。

※この表は横スクロールできます

方法 向いているケース 変えられる範囲 期間の目安 費用・保険
歯列矯正 顎の骨はある程度あり、前歯の傾きで口元が出ている 歯の位置と角度。口元の出っ張りを下げられる 2〜3年ほど(保定期間は別) 自費。表側のワイヤー矯正で70万〜120万円程度(調整料込み)が目安
外科矯正 顎の骨そのものが後ろに下がっている・ずれている 骨の位置。顎先の位置や噛み合わせを大きく変えられる 術前・術後の矯正を含め長期。入院は10〜14日ほど 顎の手術が必要な顎変形症の診断と、届け出をした医療機関なら保険適用
美容外科 噛み合わせに問題はなく、顎先の形だけを整えたい 顎先の位置や形。上下の顎の噛み合わせを整える治療とは目的が違う 施術による 自費。料金はクリニックごとに異なる

費用と期間は、日本臨床矯正歯科医会・日本矯正歯科学会が示している一般的な目安です。

裏側の矯正などは別の価格帯になり、症例の難しさや地域、医院によっても変わるため、検査・診断料を含む総額は相談先で確認してください。

歯列矯正|口元の出っ張りが「歯の位置」によるもの

前歯が前に傾いて口元が出ている場合は、歯を後ろへ下げることで、横顔の印象が変わることがあります。

歯が並ぶ場所が足りないときは、小臼歯などを抜いて場所を作ることもあります。

ただし、大人の歯列矯正は主に歯の位置を整える方法で、顎の骨の大きなずれを変えるには限界があります。

顎の骨が小さい・後ろにある場合は、矯正だけでは顎先の印象が思うほど変わらないことがあります。

「矯正したのに思ったほど変わらなかった」という不満は、この限界を知らずに始めたときに起こりやすくなります。

外科矯正|顎の骨の位置から見直す方法

外科矯正は、矯正治療と顎の骨を動かす手術を組み合わせる方法です。

手術の前に歯並びを整え(術前矯正)、手術後に噛み合わせを細かく合わせます(術後矯正)。

日本口腔外科学会のガイドラインでも、術前・術後の矯正は原則として必要とされています。

変化が大きい分、リスクもあります。

札幌医科大学の口腔外科の説明では、下顎の代表的な手術である「下顎枝矢状分割術」では、8割ほどの人に下唇や顎の皮膚のしびれなどの知覚異常が出ます。

多くは数週間から数か月で改善しますが、1年以上残ることもあると説明されています。

頻度は手術の方法などによって異なります。

入院はおよそ2週間が目安です。

仕事を休む期間や、術後の食事・生活についても事前に確認しておく必要があります。

美容外科|顎先の形だけを整えたい場合の選択肢

顎先の骨を切って位置や形を整える手術を「オトガイ形成術」といいます。

大学病院の口腔外科の説明でも、顎先が後ろに下がっている場合や唇が閉じにくい場合などに行われる手術です。

ただし、顎先への手術は、上下の顎の位置や噛み合わせを整える外科矯正とは目的が違います。

噛み合わせも気になる場合は、美容施術を考える前に矯正歯科で相談してください。

外科矯正で保険が使える条件|顎変形症と指定医療機関

矯正歯科治療は基本的に自費ですが、例外があります。

日本矯正歯科学会によると、顎の手術が必要な「顎変形症」と診断された場合、手術前後の矯正治療は保険の対象になります。

ここで注意したいのは、どこの歯科でも保険が使えるわけではない点です。

国の基準を満たして地方厚生局へ届け出た医療機関でなければ、保険の対象になりません。

名簿では「顎診」と表示されるため、この記事では以下「顎診の医療機関」と呼びます。

日本臨床矯正歯科医会の説明では、矯正を保険で受けている場合は、口腔外科などでの手術や入院の費用も保険の対象になります。

反対に、矯正を自費で受けた場合は、同じ手術でも自費扱いになります。

顎診の医療機関の探し方

1

地方厚生局のサイトを開く

住んでいる地域を担当する地方厚生(支)局のホームページへアクセスします。

2

「施設基準届出受理医療機関名簿」を探す

サイト内検索で名簿を探し、都道府県別の歯科のファイルを開きます。

3

「顎診」で検索する

ファイル内で「顎診」と書かれた医療機関が、外科矯正を保険で受けられる候補です。

4

医療機関へ直接確認する

名簿は変わることがあるため、予約時に保険での外科矯正に対応しているかを確かめます。

保険で受けた外科矯正は、医療費が高額になったときに自己負担を抑える「高額療養費制度」の対象にもなります。

ただし、入院中の個室代や食事代などは対象外です。

相談先の順番|まず矯正歯科、鼻づまりがあれば耳鼻咽喉科

どこから相談すればよいか迷ったら、次の順番で考えると無駄が少なくなります。

1

鼻づまり・いびきが強いなら耳鼻咽喉科

鼻づまりや呼吸のしにくさについて、鼻炎や鼻の通り道の問題がないか、原因と対応を相談します。

2

矯正歯科で精密検査を受ける

セファロなどの検査で、歯の問題か骨の問題かを診断してもらいます。顎診の医療機関なら、外科矯正が必要なときに保険の流れへ進みやすくなります。

3

骨の問題なら口腔外科と連携

矯正だけでは難しいと判断された場合、矯正歯科から口腔外科や形成外科を紹介されるのが一般的です。

4

噛み合わせに問題がなければ美容外科も検討

顎先の形だけを整えたい場合の選択肢です。噛み合わせも気になるなら、先に矯正歯科で相談してから考えます。

矯正歯科を選ぶときの確認ポイント

日本臨床矯正歯科医会は、医院選びで次の点を確認するようすすめています。

料金の安さや「早く終わる」という広告だけで決めないことが大切です。

  • セファロ(頭部のレントゲン規格写真)を撮って分析している
  • 精密検査をしたうえで診断し、治療計画と費用を詳しく説明してくれる
  • 常勤の矯正歯科医がいる
  • 日本矯正歯科学会の認定医など、資格を公式サイトで確認できる
  • マウスピース矯正など、特定の装置ばかりをすすめてこない

相談前に用意しておくとよいこと

  • 気になる部分(口元・顎先・顔の長さ・口の閉じにくさ)を一言で言えるようにする
  • 正面と横顔の写真を、自然に口を閉じた状態で撮っておく
  • 使える予算の上限と、分割払いを使うかどうかを決めておく
  • 通院できる頻度と、入院や休みが取れる時期を確認しておく
  • 抜歯や手術を受け入れられるかどうか、自分の考えを整理しておく
  • 鼻づまり・いびき・アレルギーの有無をメモしておく

アデノイド顔貌の治療で失敗しやすいポイント

大人のアデノイド顔貌の治療は、時間もお金もかかります。

よくある失敗を先に知っておくと、遠回りを減らせます。

失敗1:自力の方法に何年もかけてしまう

ミューイングやマッサージで変わるという情報を信じて続けても、大人の骨格が変わる根拠はありません。

気になる期間が長いほど、相談を先延ばしにした時間が無駄になりやすいです。

失敗2:歯列矯正だけで顎が出てくると期待する

歯列矯正で変えられるのは歯の位置です。

顎の骨が小さい・後ろにある場合は、矯正だけでは顎先の印象が十分に変わらないことがあります。

相談のときに「どこまで変わるか」を具体的に聞いておくことが大切です。

失敗3:噛み合わせを診ないまま美容外科だけで決める

顎先への手術と、上下の顎の位置や噛み合わせを整える外科矯正は目的が違います。

噛み合わせも気になるのに顎先の形だけで決めると、本当に気になっていた部分が残ることがあります。

失敗4:保険が使えるかを確認しないまま自費で始める

外科矯正が必要なケースでも、顎診でない医院で矯正を始めると保険の対象になりません。

最初の相談で「保険の外科矯正に対応しているか」を聞いておくと、後から費用が大きく変わる事態を避けやすくなります。

外科矯正・歯列矯正が向いている人・向いていない人

外科矯正

向いている人顎の骨が後ろに下がっていると診断された人。噛み合わせの不具合も一緒に整えたい人。長い治療期間と入院を受け入れられる人。

向いていない人入院や数週間の療養が取れない人。手術のリスクを受け入れにくい人。口元の出っ張りが主に歯の位置による人。

歯列矯正

向いている人前歯の傾きで口元が出ている人。手術は避けたい人。2〜3年ほどの通院を続けられる人。

向いていない人顎先そのものを前に出したい人。骨の位置に大きなずれがあると診断された人。

見た目の悩みは、髪型やヒゲ、服装など骨格以外の部分でも印象が変わります。

治療を考える前に、全体の優先順位を整理したい人は次の記事も参考にしてください。

アデノイド顔貌に関するよくある質問

大人になってからアデノイド顔貌になることはありますか?

大人になってから顔つきの変化に気づいても、見た目だけで原因を判断することはできません。骨格だけでなく、体重やむくみで見え方が変わることもあります。噛み合わせや顎の位置が気になる場合は、矯正歯科で相談してください。

ミューイングや自力のトレーニングで治りますか?

大人の骨格がミューイングやトレーニングで変わるという科学的な根拠はありません。イギリス矯正歯科学会やアメリカ矯正歯科医会も、効果の根拠がないことや、歯や噛み合わせへの悪影響の恐れについて注意を呼びかけています。

治療費はいくらかかりますか?保険は使えますか?

一般的な歯列矯正は自費で、日本臨床矯正歯科医会は表側のワイヤー矯正で70万〜120万円程度(調整料込み)を目安として示しています。顎変形症と診断されて外科矯正を受ける場合は、顎診の届け出をした医療機関であれば保険の対象になります。

歯列矯正と外科矯正はどちらを選べばいいですか?

口元の出っ張りが歯の位置によるものなら歯列矯正、顎の骨そのものが後ろに下がっているなら外科矯正が候補になります。自分で判断するのは難しいため、矯正歯科でセファロなどの精密検査を受け、適応を相談してください。

まず何科に行けばいいですか?

見た目や噛み合わせが気になるなら、まず矯正歯科で相談します。鼻づまりやいびきが強い場合は、耳鼻咽喉科も受診して鼻の状態を確認しておくと安心です。

外科矯正の手術にリスクはありますか?

あります。全身麻酔で骨を動かす手術のため、腫れや出血のほか、下唇や顎の皮膚のしびれが起こることがあります。札幌医科大学の下顎枝矢状分割術の説明では、しびれは多くの場合数週間から数か月で改善する一方、1年以上残ることもあるとされています。起こりうる合併症と回復までの期間は、手術を担当する口腔外科で詳しく確認してください。

矯正したのに思ったほど変わらなかった場合はどうすればいいですか?

まず担当の矯正歯科医に、どこが計画どおりでどこが限界だったのかを確認します。骨格の問題が残っている場合は、外科矯正を検討できるかを相談します。不安が強い場合は、費用はかかりますが別の矯正歯科でセカンドオピニオンを受ける方法もあります。

この記事のまとめ

  • 大人の骨格は、ミューイングやマッサージで変わるという根拠はない
  • 口元の出っ張りが歯の位置によるものなら、歯列矯正で横顔が変わる可能性がある
  • 顎の骨が後ろに下がっているなら外科矯正。顎の手術が必要な顎変形症と診断され、顎診の医療機関で受ければ保険の対象
  • 最初の相談先は矯正歯科。鼻づまりやいびきが強いなら耳鼻咽喉科も受診する

アデノイド顔貌の悩みは、まず「歯の問題か、骨の問題か」を知ることから始まります。気になっている期間が長い人ほど、一度矯正歯科で検査を受けて、自分に合う方法と費用を確かめてみてください。